「若者よ質屋に行こう!」  いいのかな… その弐 | 「今日の献立」 

「若者よ質屋に行こう!」  いいのかな… その弐

時代劇なんかを見ていても、金貸しはだいたい「悪役」ですよね。
お代官とつるんで賄賂を渡して、「抜け荷」をやったり、、、お目こぼしを頼んだり、、、
取り立てにやくざがやって来て、ひとり娘が「吉原」に身を沈めるなんて、王道の筋書きじゃないですか? 
マンガ「なにわ金融道」(青木雄二氏著)に書かれている話もかなり悲惨ですよ。
出てくる金貸しもだいたい悪人面だし(笑)
 
最近は凶悪犯罪が増えていて、毎日「殺人事件」が新聞を賑わしていますが、
「原因はお金のトラブル」っていうケースも多いですよ。 今も昔も変わらないんですね。
 
 
4月。新生活をスタートさせた、学生さんや新入社員の方は多いでしょうね。親元から独立してアパート住まい。 ワクワクの毎日だと思います。
 
でも、実際に生活をしているとすべて計画通りには行かない事もあります。いや、むしろうまくいかない事のほうが多いかもしれません。給料日前にどうしても、お金が必要!そういうケースはあります。でも、安易に「借金」はしないで下さいね。 カードローンやサラ金には絶対に手を出さない!そのくらいの覚悟は必要です。「大丈夫、俺はちゃんと返してるから」という人もいるでしょうが、借金癖はつけないほうが良い。 それと、これだけ個人情報が安易にやりとりされている時代です。当然、誰がどこから、どのくらい借金をしているか?なんてすぐに調べる事が出来ます。お金の引き出しパターンを見れば、カードローンの返済用にまた借りている事くらいすぐ分かってしまいます。
そういう事が繰り返されれば、「要注意人物」としてデータが残ります。本当に借り入れが必要な時につまらない過去の事まで聞かれるのは面白くないですよ。
あれだけ、華やかにコマーシャルをしていても「サラ金からお金を借りている人」は良いイメージでは見てくれません。 返済がちょっと遅れただけで、職場や実家に電話がかかってくるなんて事もあります。
 
同じ借金でも「質屋」は意味が違います。
質草と交換ですから、お金が返せなければ質草が流れてしまうだけで済みます。
僕も学生時代(一人暮らし)に随分世話になりました。
学生や若いサラリーマンは「質屋」に行きましょう! あなたの大切なモノ、例えば入学祝いにもらった時計や彼女とお揃いで買った、シルバーのネックレス。 カメラ、オーディオ、楽器、それらを持って、質屋ののれんをくぐります。
眼鏡をかけた寡黙なオヤジが値踏みをして、、、
 
「5000円だな」
 
「はぁ~~~っ!? この時計、10万で買ったんだよ!」
 
「5000円」
 
「だって、、、」
 
「じゃぁ、やめましょ」
 
背に腹は代えられません、、渋々5000円と預かり証を受け取って店を出ます。
 
流したくなければ、早々に返済するか、毎月、決められた日に利息を払いに行くかどちらかです。バイト代が入ったら、お金を返して時計を返してもらいます。10万の時計をたかだか5000円で取られちゃ割に合いませんからね。
 
品物を流さないで、何度かお店に通っていると、こんな事もあります。
どうしても、彼女とデートで1万円くらい用意したい。で、いつもの時計と、古いカメラをもってオヤジに交渉します。
 
「また、この時計と、、あと、このカメラでちょっと頼みますよ」
 
カメラをひっくり返したり、ファインダーを覗いたりしながら、
 
「いくら必要なんだい?」
 
「出来れば、、、1万くらい、、、無理っすか?」
 
眼鏡の奥から人の顔をチラッと見て、、、
 
「いいよ、、1万円だな」
 
時計とボロカメラで1万円!?
 
実はこれが「信用」です。 この客は流さない、、、そう思われたんです。
頭を下げて店を出ます。 通い慣れた質屋でも、、、入る時と出る時は気が重い…人目が気になったものです。 「あの人、借金してるのよ~~」って思われたんじゃないかってね。昔は生活に困った奥さんが自分の着物を持って人目を避けて質屋に飛びこんでいたんです。
 
僕も、どうしても月末に利息を払えない時があって、父親からもらったダンヒルのライターを流した事があります。たしか、、、3000円くらいで質入れしたんですが、、、店頭ではその何倍もの値札を付けて売られていました。なんとも、切ない思いでしたね~~ その後数年は親父が「あのライターどうした?」って言い出さないかヒヤヒヤしたものです。
 
お金を借りることの意味、辛さ、惨めさを教えてくれるのが「質屋」です。
 
今のように簡単に50万もの金を借りられる、、、そんな感覚を持ってしまうのはとても怖い。社会人になって、、、頼まれて、安易に保証人の欄にハンコを押してしまう。手形の裏書をしてしまう。 金融屋から言われるままに書類に実印を押してしまう。
勉強不足と言うよりも「借金」に対する認識の問題だと僕は思います。
 
質屋復活! みんなで質屋に通いましょう!!