もう一品その弐 (夫のたわごと) | 「今日の献立」 

もう一品その弐 (夫のたわごと)

チーズは私の好物です。

だから、ビールの肴(おつまみ)にチーズが出たからと言って「異論」はありません。
でも、そこでイメージするチーズはクラッカーの上にのせられた「ブルーチーズ」であり、
サラミソーセージをお供に従えた「カマンベールチーズ」なワケです。

「お父さんだけいいなぁ」 

と別皿に数個盛られた「チーズの包み揚げ」を食い入るように見つめる子供達に

「熱いからヤケドするなぁ」

と言いながら、取り分けてやるのは何となく気分が良いモノなのですよ。

お父さんの為に用意された「一品」 
それは食材がどうとか、味がどうとかそう言う問題ではありません。
「一品」であれば良いのです。
でも「食品」が「一品」と名前を変える為には、
そこに「人の手」が加えられなければなりません。


スーパーで買ってきた「キムチ」を容器ごと食卓に乗せてあってもそれは「一品」とは認めません。
でも、同じキムチであっても 酸っぱくなったキムチをごま油さっと炒め、
ちりめんじゃこでもあえてあれば立派な「一品」の完成です。

小鉢に瓶詰めのエノキダケを盛って、その上から大根おろし。
この簡単な料理でも、お父さんにとってはメインのおかずに勝るとも劣らない「一品」になるわけです。




さて、小皿に盛られた セロハンに包まれたままのチーズ。
袋から出して、小皿に盛った事を一手間と見れば、これは「一品」としなければなりません。

でも、、、、

そこには、「お父さん」或いは「夫」に対する尊敬や愛情の念は感じられません。
したがって、裁判官の僕としては、これを「一品」とは認めない!
よって「一品」の作り直しを命ずる!という判決を下します。

「こんな子供のおやつみたいなのじゃなくて、何か作れよ!」

と言えば、妻は何も言わずに小皿を下げて、豚バラ肉と長ネギあたりを炒め
いりゴマをパラッふった「こりゃ、美味そう…」という一品を作るでしょう。
黙って皿を僕の前に置きます。それを見た僕は、、、

「これは肴じゃなくて『おかず』って言うんだよ!分かってねぇな」

ここから先どんな夕食になるかは誰もが想像できますよね?


だから、セロハンに包まれたチーズを見ても「一品」の作り直しを命ずる!
という判決は下しません。そこは「我慢」です。

「はぁ~~~~っ!? 『我慢』って何よ!当たり前の事じゃないの!」
という声が聞こえますが、
今日は「夫のたわごと」ですから、ご容赦下さいませ。。。


そして、「我慢」した僕が取った行動は…


「もう一品 その参」で