献立の裏側 | 「今日の献立」 

献立の裏側

夕食は僕の担当とはいえ、仕事の都合によっては妻に頼まなくてはならない事もままあります。彼女も料理好きで決して下手でもありません。文句を言ったらバチがあたるかも (笑)



ただ、少々好き嫌いが激しいので、絶対に使われない素材、場合によっては買い物かごにも乗らない食材があるのも事実ですね。 だから、僕が料理をするようになってからは彼女から嫌われる食材を買ってきて自分用に料理をしていました。

で、僕が考えたのは、どうせ作るのならなんとか、妻が食べられない食材を「食べられる」ように調理できないか?という事です。 

セロリがまったく食べられなかった妻。そのせいもあって、子供達も苦手な野菜となっていました。野菜スティックにしてそのままマヨネーズでいくらでも食べられる僕にとっては、なんとなく寂しい事でした。
そこで「セロリ克服作戦」を実施したのですが、これがなかなか上手くいきません。
シチューに入れて形が崩れるくらい煮込んでみても、食べることは出来ても、「美味しい」とは感じない。細かくきざんでパスタに入れてみたり、臭いが駄目なら、もっと強い臭いに!という事で納豆のネギ替わりに。僕的には成功でしたが、やっぱり駄目。 「こりゃもう駄目だな。」と諦めかけたいました。

そんなとき、何気なく セロリを糠漬けにしたんです。別に特別な事じゃないですけどね、、、我が家にとってはセロリの漬け物は考えられない事でした。ちょっと漬けすぎたかな?と思えるくらいのセロリをテーブルに並べました。もちろん僕の為…
ところが、そのセロリの漬け物を一口食べた妻が、

「あれ!?美味しいかも」

といって食べ始めたのです。
驚きましたが、それよりも「嬉しかった」というのが本音です。
手を変え品を変えなんとか食べさせようとしてきた

「努力」← そんなに大袈裟な事じゃないけど(笑)

が報われたぁぁぁ~!

妻にしてみれば、せっかく工夫して作ってくれたのだから

一口は食べてあげなくちゃ…」 

と口に運んだのだと思います。それが思いの外美味しかった…
それから、はや数年、、、今では妻もセロリを生のまま食べられるようになりました。ただし、瑞々しい新鮮なセロリに限りまし、自分から進んで食べるという事はありません。 それでも進歩ですよね???

僕の料理は所詮「お父さん」の料理です。無条件の愛情は加えられません。どこかに「美味いだろ?」という気持ちや「美味しい!」と言ってもらいたい気持ちがあります。
だからと言うわけではないでしょうが、自分で料理をするようになると、食べている側の事がとても気になるようになります。

※ みそ汁が薄かったかな? 
※ ちょっと、油っぽいモノが揃っちゃたか? 
※ そういえば、3日続けて「魚」だなぁ
※ もしかして、昼飯とかぶったか?
※ あらぁ、、苦手な食材がたくさん出しちゃったな。
※ あんなに残したけど、、、調子でも悪いのかな?
※ 最近胃の調子が悪いようだから消化の良いものを
※ え!!外で食べてきた? のこったのどうするかなぁ…

等々、毎日食事を作る側って色々気を使っているのです。 
冷蔵庫の中を思い出しながら買い物に出向き家計と相談しながら少しでも安い食材を見つけて、、、それを基準に献立を考える。できれば、一品、旦那さんの好きなものを入れて上げたいし、、子供が喜ぶモノは? そんな事を考えながら、スーパーをうろうろしている訳ですよ。 
意外と重労働です。 これで、親と同居だったらもっと気を使うかも知れませんな。


でも、そんな苦労も吹き飛ぶ魔法があります。簡単な事で、

「おっ!美味いな」の一言。 
「ごちそうさま」当たり前の一言。 
「食器を台所まで運ぶ」一手間。
「たまには、皿洗いでもするかぁ!」のサービス精神。

これで苦労はすべて吹っ飛びます。 



手作りの料理には作り手の気持ちが込められています。 だから、食べる側はその気持ちを汲んで上げたいものです。



奥さんも外で働いていて、なかなか手料理が出来ないという人もいると思います。僕も、忙しい時はスーパーの総菜コーナーでおかずを買うことはあります。 でも、出来れば一手間かけてテーブルに並べます。
フライパンを取り出して、ちょっと炒め直す。その際にお酒や砂糖をほんのちょっと加えたり、豆板醤などで辛味もつけたり。
キャベツをきざんでその上に乗せれば、見た目も豪華ですよね。

食卓は楽しく! なかなか毎日そうも行きませんが、食卓に着く者、全員が「そうありたい」と思うことが大切なように思います。



さて、昨日の我が家の献立。

数日前にお流れになったビーフシチューでした。
でも、作ったのは 「妻」

夕方、台所をのぞいたら「チーズケーキ」まで作っていました。

「ビーフシチュー」
「レタスとアボカドのサラダ・アンチョビドレッシング」


「チーズケーキ」

お世辞抜きに美味しかったですよ。

後かたづけは僕が担当しました。