回転寿司は嫌い!?その弐 | 「今日の献立」 

回転寿司は嫌い!?その弐


「こんにちは~ こんにちは~ 世界のぉ国からぁ~♪」

三波春男先生が唱ったのは今から35年まえの1970年大阪万博でした。今年は「愛知博」という事で大変な盛り上がり?を見せて?います??? か?

大阪万博、見に行きましたよ。僕は東京生まれでしたから、新幹線に乗って大阪まで行きました。岡本太郎画伯の「太陽の塔」にはびっくりしました。ものすごい存在感を子供ながらに感じたモノです。いやぁ、、すんごい人、人、人! 今のTDL「くまのプーさん」真っ青の行列でしたね。


あっと、いきなり脱線はまずいですな。「回転寿司」の話です。
前にも書いたのですが、僕は回転寿司が苦手です。と言うよりもズバリ「性に合わない」のですよ。

僕らが子供の頃、まさに「大阪万博」「札幌の冬季オリンピック」の時代ですね、、、35年前の日本、高度成長期ではありましたが、当時、寿司と言えばまさに高級食の代名詞。年に数回口にする事ができれば上等でした。特別なお祝いか葬式の時と相場は決まっていたモノです。 家に大切な来客があって母親から「今日はお寿司よ」などと言われた日にゃ、、、お客さんが神様に見えましたね。正座をして出前を待っていたモンです。届いたすし桶はまさに「宝石箱」!赤や黄色、銀色の色鮮やかな寿司がぎっしりと並んでいました。 至極のひとときですなぁ…
あなたはどっち派でしたか?好物を先に食べる派。好物は最後に食べる派。 それぞれの食べ方の順番が違っていて寿司の食い方も様々だなぁと思ったりもしたモノです。妹が好物のイクラを最後まで残しているのを見ていた僕は彼女がちょっと目を離したスキに口の中に放り込んでしまいました。妹は大泣き!オヤジからHOTなゲンコツを頂いたのをよ~く覚えています。


社会人になってからは、いつかは銀座の寿司屋の「カウンター」に座って寿司を食ってやるぞ~!と息巻いたものです。とにかく、寿司は高級料理であり、日本食文化の中の代表格でもあります。「スシ、スキヤキ、ゲイシャ」と外人が言っているかどうか知りませんが、少なくとも寿司は日本食として世界のスタンダードでもあります。


僕は「国の食文化」を考えたとき、かならずそこに必要なモノが あると思っています。

一つ目はその食の持つ歴史です。
その国にどれだけ根付いている食なのか?という事。

二つ目はその食への誇りです。
その国の人々がどれだけその食にたいして誇りを持っているか?

三つ目はその食への作法です。
その国の人々がそれを作法をもって食しているか?

回転寿司が根付いてからというモノ、二つ目と三つ目については完全に失われてしまいました。近海物の本マグロを一皿何円で何皿も頂くのはいかがなモノかと思います。だいいちマグロに失礼でしょ!寿司はネタ勝負の食べ物です。ですから、寿司職人はネタにこだわりをもって、ネタを大切に扱います。そうした気持ちやネタを見る目、握る技、すべてを味わってこその「寿司」なんです。もっとも、こだわりが過ぎて、食い方が気に入らないと客を怒鳴りつけるようなオヤジもいるようですけど…

ウニ、大トロ、アワビ、甘エビ、ヒラメ、、、こうして羅列しただけでもよだれが出てくるような食材をベルトの穴をゆるめるほど食ってはいけません。 一カン2000円の大間の本マグロの中トロを高いとか安いとか論じるのではなく、その一カンの持つ重みや価値を味わってもらいたいのです。そこに価値を見いだせないのであれば、「寿司」は食べないほうがいいと思います。
「大トロ!」「エンガワ!」子供が注文している風景を目にしました。子供に食べさせるな!とは言いません。でも、彼らにその価値を伝えるのは親の役目です。そこに沢山の人達のこだわりや苦労があってこそ口に出来る食材だと言うことを教えてあげて欲しいと思います。

狂牛病問題もやがてうやむやになり「輸入再開」は目前です。それが悪いとは言いませんが、僕ら親の世代はもう少し、について考えなくてはいけない時代だと思います。
で、回転寿司をやり玉に挙げてますが、他意はありませんのでm(__)m


その参へ続く…